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実際に、自分の持っているお金が、そのまま自分の富を決めているからである。
ところが、社会的な視野に立てば、特に不況期には、お金の倹約と資源の倹約が違ってくる。
いいかえれば、公共活動を決定するさいの効率計算と、民間が行う効率計算とは異なってくるのである。
ところが公共事業を批判する人は多くの場合この2つを混同し、政府に対しても民間と同じ効率計算をするように要求している。
減税と公共事業の違い公共投資を行うにはその内容が重要であって、公共投資をすれば何でも景気が刺激されるわけではない。
このことから頻繁にいわれることが、「政府は効率が悪く無駄遣いするから、どうせ使うなら、減税によって国民に配り、好きなように使ってもらった方がよい」というものである。
実際、政権与党は、選挙における地元の支持を得るために、各県で公共投資を満遍なく行う傾向がある。
1998年春に、不況の深刻化に対して、政府.自民党がそれまでの財政構造改革路線に沿った公共事業の削減を一時棚上げし、16兆円規模の財政出動を決定したさいにも、M主党.自由党からK産党までのほとんどの野党や財界、経済評論家、アメリカやEU諸国までもがこぞって、この内容では減税幅が少なく、公共事業が多過ぎると批判した。
たとえばM主党の菅直人代表は、自民党が公共投資を行えば、意味のある公共事業は少なく各県バラマキになるから、大規模な所得税減税を実施すべきであると主張している。
また、減税の内容も一時減税であるから効果が少ないと批判し、即時恒久減税を実行すべきだと主張した。
このような減税の景気刺激効果に対する過剰な期待も、伝統的ケインジアンの財政出動の効果に関する誤った考え方を引き継いでいる。
ちょっと考えればわかるように、減税は究極のバラマキである。
公共事業は金をばらまいて何かをやらせるが、減税は何もさせないで、ただばらまくのである。
したがって、財政資金を減税に使うくらいならば、政府が公共事業を行って、余剰労働力や遊休資源を有効に使った方がいいのである。
もちろん金の流れから見れば、公共事業と減税の場合には、公共事業に関わった人と減税対象者というように、金を受け取る人が異なる。
誰がお金を受け取るべきか、経済の問題というよりは個人間の相対的評価の問題である。
あるいは、誰の支持を得るかという意味で、政治的な問題かもしれない。
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